不便益④ 不慣れな行動

人はどうしても慣れた行動をしたくなります。
 「慣れ」は、基本的に考えることなく無意識に何でも行えるため、心地よく、安心感があります。

そのため、世の中には定番商品や定番メニューなど

「定番」と言われるものが沢山あります。

最近では「朝のルーティン」などという決まった行動をすこともあります。

定番は心を落ちつかるにはとても良い方法なのですが、脳科学的に考えると、

慣れた行動ばかりしていると脳の同じ部分しか使わなくなり、

脳を発達させるにはあまりよくないことも指摘されています。

たまには「不慣れな行動」も必要なのです。

脳には3つの状態がある
 脳には、それぞれの状態に応じて、以下の3つの状態があるそうです。

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それそれの状態について考えてみましょう。

  • デフォルトモード・ネットワーク(DNM)
    無意識に近い状態
    記憶や経験に準じてオートマチックに情報処理や指示出しをする


 たとえば駅までの道を歩くとき、ぼんやり考えごとをしていても駅にたどり着けるのは、デフォルトモード・ネットワークが働き、経験と記憶に沿ってあなたを導いてくれるからです。

  • セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEM)
    自発的に意識を向けたときに活発に働く

それでも途中で歩道が狭くなり、車が間近に通り過ぎて危険を感じたり、信号機が赤からなかなか変わらない信号など、注意を向けないとネガティブな出来事が起きる危険性がある場所では、毎日その道を通っていてもサリエンス・ネットワークがとアラートを出し、セントラル・エグゼクティブ・ネットワークにバトンを渡します。これは私たちに危険を回避する本能があるからです。

  • サリエンス・ネットワーク(SN)
    上記の2つの対極的なネットワークの切り替え役を担う


 一方で

「お気に入りのパン屋のショーウィンドーに新作が出ている!」

「この間、閉店した店で改装工事が始まった!」

といったポジティブな変化に対してもサリエンス・ネットワークは反応し、

好奇心を伴った形でセントラル・エグゼクティブ・ネットワークが働き始めます。
 このように、いつも通る道を歩くとき、私たちの脳ではこんなふうに脳の情報処理ネットワークが切り替わり、注意を向ける対象を選んでいるのです。

脳の仕組みを理解して行動する
 このように脳はその状況に応じて脳のエリアを使い分けていますが、

セントラルエグゼクティブネットワークモードは、「何かを決めて行動する」際に働くモードに対して、

デフォルトネットワークモードは「脳が静かにしているような状態」のときを指します。

ただ、このデフォルトネットワークモードの時でも、無意識に色々なことを考えており、多くのエネルギーを費やしていいるのです。
 その意味で、セントラルエグゼクティブモードは「決める」役割があるのに対して、

デフォルトネットワークモードは「直観」を呼び出すものであり、

その中間にある

サリエスネットワークモードは、直観で何かを感じたときに、その行動を起こすかどうかを絞り込む、

言い方を変えれば対局を見極めるときに使われるとも言われています。

日常生活を脳機能で分類してみる
 そう考えると、

日常の中でお風呂に入る、トイレに行く、散歩する、ご飯を食べるなど、一人でできる行為は「デフォルトネットワークモード」が主に働いているのに対して、

雑談したり、スポーツしたり、旅行に行ったり、料理や明日の用意など何かを準備する行為は、「サリエスネットワークモード」が働きます。

そして、プレゼンをする、会議に参加して意見を言う、新しいことを始めるなどの行為はは「セントラルエグゼクティブモード」が働いているのです。


 もう少し雑に言えば、1人でいる(being)のときは、「デフォルトネットワークモード」が働きますが、みんなでする(doing)のときは「セントラルエグゼクティブモード」モードが働くのです。

3つの脳を効率よく利用するには?

セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)で慣れないことを意識して行動し、

その経験をデフォルト・ネットワーク・モード(DMN)として定着させていくことが、高いパフォーマンスへつながる。まさに反復練習がこの過程に当たるのだと思います。


 そして、もう一つ大切なのが、セリエス・ネットワークモード(SN)です。サリエス・ネットワークモードは、デフォルトネットワークモードとセントラルエグゼクティブモードとを切り替える役割があります。

身体の内側と外側を統制する役割があると言われており、感覚値や情動値ともいうが、

ドキドキしているのか、ワクワクしているのか、はたまたモヤモヤしているのかなど、そんな自分の内部環境の変化に気付けるようになるモードが、サリエス・モード(SN)です。

そのため、行った行動を定着させるには、サリエス・ネットワークモードによる切り替えが重要になるのです。

そのため、脳の定着にはサリエス・ネットワークモードを鍛えることが重要であり、

その方法が、瞑想やマインドフルネスなのです。

サリエス・ネットワークモード(SN)で内部環境にきちんと耳を傾け、セントラルエグゼクティブモード(CEN)で情動や感動を認識し、それをデフォルトネットワークモード(DMN)に定着させるということが重要です。

ルーティンの大切さ
 スポーツ選手が行うルーティンにはどんな意味があるのでしょう?
 セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)と、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)をつなげていくためには、サイリエンス・ネットワーク(SN)によって、身体と対話することに注意を向ける必要があります。そのため、独特な動きをルーティンとして行うことで、自己の身体の状態、心の状態などを紐付け、脳内の神経細胞を結びつけているのです。その統一した行為を繰り返し、記憶に刻み込むことで、脳がDMN的に処理するようになった結果、理想に近い状態のパフォーマンスを、自分自身にもたらすことができるのです。

まとめ
 今回は脳の機能から行動を考えてみました。

慣れた行動は、言い方を変えれば1名でいること「being」な状態をさし、

何か行動を起こす、言い方を変えればみんなで何かをすること「doing」な状態を指す。

「being」は何も考えない直観的な側面であるが、その裏側には「doing」することで理論を構築しなければならず、その定着には内部の感覚にを意識を向ける無になる力が重要である。

そのため、慣れた生活ばかりしていると、心地が良いが脳は成長しないため、あえて不慣れな行動を行う。

そんなことも、脳を鍛えるためには重要なのかもしれません。

参考資料
東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/419252

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