患者様に睡眠や呼吸、汗(体温調節)などを説明するとき
「自律神経」という言葉をよく使います。
なんでも「自律神経が乱れていますね!」と言っているわけではなのですが(^^;)
人が生きている上で生命維持にとても大切な働きなのです。
みんながイヤな”加齢”との関係もお話しますね。
自律神経の働きは、加齢とともに乱れやすくなり、
それが全身の健康や老化にも大きな影響を与えていることが分かってきました。
自律神経とは、私たちの生命維持に必要なすべての機能を司る神経のことです。
①”意識しなくても働く”自律神経がなければ人は生きられない
自律神経は、私たちの生命活動を24時間休むことなく支えてくれる大切なシステムです。
心臓を動かす
血液を循環させ
食物を消化する
といった体内の機能は、
自分の意思でコントロールすることができません。
こうした営みが自然に行われているのは、すべて自律神経の働きによるものです。
自律神経は
交感神経と副交感神経という、2つの相反する働きをする神経によってコントロールされています。
● 交感神経…車の機能に例えるなら、アクセル役。日中に活動する時など、心身が緊張・興奮する際に優位に働きます。
● 副交感神経…車でいえばブレーキ役で、くつろいだり眠ったりする時など、心身がリラックスする際に優位に働きます。
②交感神経と副交感神経の理想のバランスは1対1
この2つの神経の働きは、片方が高い時はもう片方が低くなるシーソーのような関係とよくいわれていますが、
実際はそうではありません。
理想的な関係は、両方が同じような高いレベルで働いていて、
活動状態の時は交感神経が「やや優位」に、
リラックス状態では副交感神経が「やや優位」になる形。
それが、心身ともに充実した、最も健康な状態です。
ところが、もしどちらか一方に大きく偏ってしまった状態が続くと、心身の状態も不安定になります。交感神経ばかりが高ければ、常に緊張を強いられて疲弊してしまいます。
かといって副交感神経ばかり高くても、心身の活動力が低下してしまいます。
毎日の心と体の健康状態は、自律神経のバランスによって決まるといっても過言ではありません。
③加齢とともに自律神経のバランスが乱れると
中高年になると副交感神経の働きがガクンと低下する
自律神経のバランスを乱す要因として、
- ストレス
- 乱れた生活リズム
- 不規則な食生活
- 運動不足
- タバコ
- 睡眠不足など
が挙げられますが、
忘れてはならないのが「加齢」です。
実は、交感神経の働きは歳を重ねてもあまり変わらないのですが、
副交感神経の働きは年齢とともに低下していくため、
交感神経だけが強く働くアンバランスな状態になりやすいのです。
順天堂大学の研究チームが行った「男女年代別の自律神経測定データ」調査の結果でも、
男女とも30代、40代と年代が上がるにつれてどんどん低下しています(下グラフ)。
誰もが20代のころと比べれば、体力の衰えや心身の不調を感じ始めるこの年代。
その自覚の陰で、副交感神経の働きが低下してきているわけです。
自律神経のバランスの乱れは病気や老化を進めるもと
では、なぜ自律神経のバランスが乱れると、不健康になるのでしょうか。
その理由としてまず考えられるのは、体内のライフラインである血流の低下です。
血流のコントロールは、自律神経の重要な役割の一つです。
加齢とともに、血管を拡張に導く副交感神経の働きが低下すると、
血管の収縮が過剰になりやすく、血流が低下してしまうため、
すみずみの細胞まで栄養や酸素が行き渡りにくくなります(下右図)。
また、自律神経のアンバランスは腸内環境の悪化にもつながり、
腸に増えた有害物質を含んで汚れた血液が、全身に運ばれます。
この状態が続けば、体の機能は低下し、様々な不調や病気を招きやすくなり、
老化も進みやすくなってしまうのです。
50代女性(私です)では自律神経機能は482
20代女性では 1658
約1/3に減っているわけです(-_-;)
この曲線て、東洋医学でいうところの
「先天(せんてん)の精」と同じなのでは?
と思いました。
生まれり時に親からいただくエネルギー。
生まれてから食べ物で後天(こうてん)の精を補いながら
成長していきますが、
先天の精がゼロになったとき、命の終わりと言われています。
東洋医学の話はまた改めてしますね。
自然に減ってしまう働きを補うには・・・
④”ゆっくり”が自律神経安定のキーワード!
加齢は誰しも防ぐことはできません。
でも日ごろから副交感神経の働きを高め、
交感神経に傾きがちな自律神経のバランスを整えることは可能です。
そのためには、まず自律神経の乱れに早めに気づくことが大切。
もし、
●好きで聴いている音楽が耳障りに感じたら
●今まで楽しかったことに興味をもてなくなったら
副交感神経の働きが低下しているサインです。
さらに、天気が良いのに気分が晴れないとか、
何となく不安感があり、それがぬぐいきれなくなったら、
自律神経がかなり乱れているかもしれません。
こんな時、ぜひ意識していただきたいのが
「ゆっくり」というキーワードです。
ゆっくり話す、ゆっくり歩く、ゆっくり呼吸する…。
中でもゆっくりとした深い呼吸は、副交感神経を刺激する簡単で効果的な手段です。
また、右に紹介した手首の運動も、自律神経の安定に役立ちます。
自律神経機能をあげるには
身体の疲れを取る事にあります。
マッサージや鍼灸は
この自律神経に対する
アプローチが得意分野
自律神経を整えることが非常に得意なのです!
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