暑くなってくると、体にこたえますよね。
24節季の風習では、
田植えがはじまると農作業がきつくなり、暑さも重なるので
ひるねをして体を休めてもいい、とされていたそうです。
そう言えば、大工さんや職人さんは
「三尺寝」といって、仕事場の三尺(約90センチ)ほどのスペースで
ごろんと横になって、暑い盛りの昼下がりに短い睡眠をとっているのを
見かけたことがあります。
あれはさぼっているのではなく、
- 体を休める
- 午後の集中力を上げて、作業の安全をはかる
などの意味があったんですね。
※「三尺寝さんじゃくね」は夏の季語だそうです。
東洋医学的ひるねの話
「午(うま)の刻」(11~13時)東洋医学では五臓六腑の“心(しん)”が担当する時間です。
午の刻は、午前と午後の言葉の由来になった時間です。
東洋医学で考える”心”の働き
①血脈(けつみゃく)を主(つかさど)る
全身に栄養分である“血”を送る大切な働きがあります。
西洋医学の心臓の働きと同じですね。
この働きが失調すると動悸、息切れ、血流の低下などがあらわれます。
②神明(しんめい)を主(つかさど)る
東洋医学では、精神活動そのものを“神(しん)”と呼びます。
“明(めい)”は明るい以外にも、明らか=はっきりしているという意味があります。
“心”の神明は、精神や思考・判断力をはっきりとさせる働きであり、
睡眠にも関係しています。この働きが失調すると、
不眠、不安感など自律神経系にトラブルがあらわれます。
【心の働きを活かす 11−13時の過ごし方】
①軽い昼寝をしましょう:昼食後は10~30分の昼寝をして“心“を休ませましょう。
②日光浴:太陽のエネルギー(気)は“心”もポカポカ温め労わってくれます。
また太陽を浴びることで睡眠に関わるホルモン
“メラトニン” “セロトニン”などの分泌も調整されます。
東洋医学では、昼寝の良さは言われています。
ベストな睡眠時間を東洋医学では
「子午覚(しごかく)」といいます。
子は23〜1時、午は11〜13時のこと、覚は寝ることを意味しています。
「子午覚」は「子午の時間に寝ましょう!」と、
睡眠をとるといい時間帯をあらわしている言葉です。
10〜30分寝ることで体と心がスッキリして、午後の仕事の効率も非常によくなります。
ただし30分以上の昼寝はだるくなったり、夜の睡眠に影響を与えたりします。
ほどほどが良いでしょう。
「横になって眠るなんて出来ない・・・」という方も大丈夫です!
「閉目養神(ヘイモクヨウシン)」といい、
目を閉じているだけでも心身を休ませることが出来ます。
お昼ご飯を食べ終わったら“心”を労わる『昼寝』と『太陽の光を浴びる』ことで、
午後からの活力を上げてはいかがでしょうか。
西洋医学的ひるねの効果=「パワーナップ」
「パワーナップ」とは、短時間で効率的に疲労を回復させる昼寝のこと。
昼寝やうたたねを意味する英語の「nap」と、「power up」を掛け合せた造語で、
アメリカの社会心理学者ジェームス・マース氏が1998年に提唱して以来、
世界的な広がりを見せています。
アメリカでは、グーグル、アップル、マイクロソフトなどの世界的IT企業、
NASAや海兵隊などの国家的組織も、パワーナップの導入事例があるそう。
日本でも近年、取り入れる企業が増えてきています。
大工さんや職人さんは、はるか以前から取り入れていたなんて!!
すばらしいですね!(^^)!
パワーナップ(ひるね)を取り入れると、主に5つの効果が期待できるそうです。
① 仕事の能率が上がる。
昼食後から2〜3時間は、急に眠気に襲われたり、集中力が途切れたりして、
仕事の能率が落ちやすい時間帯。そうなる前にパワーナップをすれば、
眠気が消えて作業能率を上げることができます
② 脳のクリエイティビティが上がる。
睡眠不足に陥ると、脳に疲れが溜まり、クリエイティビィティが下がります。
しかし、休憩時にパワーナップをすると、脳の疲れがリセットされて、
自由な発想や斬新なアイデアが生まれやすくなります。
グーグルやアップルなどのIT企業がパワーナップを重要視するのは、そのためです
③ 前日の疲れが解消される。
パワーナップをすると、体に蓄積されていた疲労が軽減されます。
『昼の20分の仮眠で、8時間分のスタミナを取り戻すことができる』という調査結果もあるほど。
また短時間の仮眠を取ることで血圧が安定し、脳の疲労感も消えやすくなります
④ ストレスが減る。
頭を使い続けていると、脳がオーバーヒート状態になります。
その状態で仕事を進めると、ストレスが溜まる一方。
昼の仮眠は、脳のクールダウンを促し、ストレスを和らげてくれます。
ストレスを溜めながら仕事をしたり、こまめに休憩を取ったりするよりも、
昼間にパワーナップを一度するほうが効率的です
⑤ 健康になる。
昼寝が健康にいいというのは、世界中の多くの研究で実証済みです。
30分間の昼寝を週に3回以上すると、心臓病死のリスクが37%低下するというデータも。
また、仮眠を取ると血圧が下がるため、高血圧の緩和にも効果が見込めるほか、
脳梗塞や糖尿病なども予防できると言われています
おすすめのパワーナップの仕方
椅子に座った状態で
10〜20分の仮眠を
寝過ごし防止のために、仮眠前にはアラームをセット。
「目をつぶってはみたものの、10分や20分では眠れなかった」
というケースもあるでしょうが、それでも効果はあるそうです。
「人間の五感のうち、視覚から入る情報は全体の8割超と言われています。
つまり、目を閉じて視覚情報をシャットアウトするだけでも、
脳の仕事量が減り、頭がスッキリするのです」
=閉目養神
5つのポイントを押さえるだけで、パワーナップは簡単に実践できます。「
休憩時間になるとスマホを見る方が多いでしょうが、
それだと目と脳が疲れ、休んだことになりません。
『休憩時間はスマホより昼寝』と心得ましょう!
東洋医学も西洋医学も同じ結論
体感として伝わっていた昼寝が
研究されるとパワーナップ
スマホ見るより、1回寝よう
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