歩行困難な方を対象にした訪問鍼灸をしていると、哀しいお別れをすることもあります。
家族さんと一緒にお暮らしのおばあちゃんには、ご葬儀のあとにお参りさせていただくことができました。おばあちゃんの最後のご様子や、ご家族のお気持ちをお聞きし、長いおつきあいに感謝しお別れをすることができました。
でも
ご家族がなく、施設に入られていて最後のご様子を聞けないこともあります。
三月末のお別れは突然でした。
170回の往診をしていたおじいちゃん。
脳梗塞の後遺症で左半身拘縮 認知症あり
月曜日に往診して、いつものように子供の頃の楽しい思い出をおしゃべりして、
私に「お父さん、お母さんに感謝して」と言って下さり
また水曜日にね!と握手していつものようにお別れしました。
それが最後になりました。
毎回、どなたの治療の時もこれが最後になるかもしれない。
そのことを心に置いています。
今できることを、精一杯。
もしもおじいちゃんの楽しい思い出のおつきあいが出来ていればいいな。
今頃優しいお母さんと、怖くて口うるさいお父さんに再会されているかな。
どうぞ安らかにお休みください。
そして、ありがとうございました。
お別れがいつか必ずあるとしても、
必要とされる方が希望される限り、訪問鍼灸は続けます。