
穀雨(こくう)とは
穀物を生長させるために潤す春雨の時期をいいます。
春に芽吹いた草花が成長をはじめ、水分を得てぐんぐんと大きくなっていく時期。
またこの時期は「春の土用」(4月16日〜5月4日頃、立夏の前日までの約18日間)と重なり
根を張りはじめた植物の成長を妨げることから、昔から
むやみに土を掘り返さないほうが良い、と言われています。

「穀雨」をイメージされた和菓子
菓名は「瑞雨」
白い生地の内側から色とりどりの生地をぼかし
柔らかな雰囲気に。上にごまをのせ、雨を受けて芽生えを待つ
希望の種に見立てています。
亀屋良長

初候.葭始生 四月二十日~二十四日ごろ
湖や川の水がぬるみ始めると、浅瀬の水性植物も芽吹きはじめます。
葭は別名「葦」ともいい、葦簀や茅葺き屋根の材料として、
古くから民家の暮らしにはとても馴染み深い植物で、群生する葭は川の水をきれいにする効果もあるといわれています。
次候.霜止出苗 四月二十五日~二十九日ごろ
「穀雨」の時期は、穀物や野菜の種が芽生えて育まれる時期をあらわしています。
このころになると農家を困らせる遅霜もほとんど降りてこなくなります。
この候と対になっている十月の「霜始降」までは、あまり霜の心配はしなくても
良さそうですが、最近は気候変動への注意が欠かせなくなっているように感じます。
末候.牡丹華 四月三十日~五月四日ごろ
春から初夏にかけては、さまざまな花がいっせいに咲きはじめますが、
中でも丹精込めて育てられた大輪の牡丹の花が咲いているところは、
まさに百花の王、富貴という言葉が浮かんでくるほどです。
身体の特徴
穀雨は雨が降り、穀物にはとてもよい季節ですが、人間には湿度が高くなり
体調を崩しやすい時期です。
特にこの時期の雨で体内に湿気を溜め込むと、外界の水分とも重なり
身体が重だるく、むくみやすくなります。
そのためこの時期は水分コントロールが大切です。
さらに湿度が高く暖かいことで、食中毒も発生しやすく、胃腸を壊しやすい
時期でもあります。
身体が熱くなったからと言って、冷たい物ばかり飲むと、
身体がむくみ、だるくなるだけでなく、胃腸の調子も悪くします。

この時期は春の疲れがたまり、心身ともに不調を起こすことから
思い悩みやすい時期でもあります。
元々ストレスは胃腸を壊しやすいことから、身体だけでなく心の状態を
コントロールすることが何より大切です。
こころの特徴
穀雨は春の疲れも重なり、体調も優れないことから、何かと思い悩みやすい時期です。
東洋医学では思い悩むと胃腸を壊しやすいことが知られています。
さらに水分代謝の不調による胃腸への負担も少なくありません。
そのため体調を整えるだけでなく、思い悩まないように心を管理することが
何より大切です。
身体の不調は心に多くの負担をかけます。
心身ともにケアが必要な時期です。

身体とこころの養生

大切!
●水分コントロール
●ストレス解消
時期的に雨が多く、体内に水分が溜まりやすいことから
水分の取りすぎに注意しましょう。
※体内の水分状態は舌の上に生えている「苔」の状態でわかります。
特に黄色い苔はストレスにより胃酸分泌が過剰となり
胃腸が熱を持っている状態。
白い苔はストレスが長期間続きことで全身の筋肉が硬くなり
循環が悪くなり、身体が冷えている状態を表しています。


舌は唯一、目で確認できる筋肉の状態です。
ぜひ舌の苔の状態を確認し、
黄色:心の管理を
白色:身体の管理
にお役立てください。
旬のもの
スズキ

スズキは、この時期にいたわりたい肝を養い、胃腸をととのえ、血を補ってくれます。
塩と酒をなじませ、ネギと一緒に蒸したスズキに、刻んだ鷹の爪や生姜、
白髪ネギを乗せて、熱した油を回しかけていただくのが中華風。
蒸したり、焼いたり、煮たり!おいしくどうぞ
新玉ねぎ

3〜5月に旬を迎える新玉ねぎ。
新玉ねぎは、吐き気や胃の不快感などを改善し、血をめぐらせるので、この時期に出やすいゲップや、頭痛・肩こりを緩和してくれます。
みずみずしい新玉ねぎは、そのまま生でもシャキシャキと美味しいですが、
スズキと一緒にホイル焼きも手軽でおすすめです。
文旦

ぜひ柑橘系を摂ってほしいこの頃、とくにおすすめなのは、文旦。
文旦は、ストレスからくる胃腸トラブルを改善し、咳を鎮め、イライラや落ち込みやすさなどのメンタル面もカバーしてくれます。
ストレスを受けやすい春には、ぜひ文旦と覚えておきましょう。
爽やかな酸味と甘味で、気分をリフレッシュしてください。
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